はじめに
東洋医学には、舌の状態を見て体調をチェックする「舌診(ぜっしん)」という方法があります。
舌の色や形は健康状態によって変化し、舌の状態を観察することで今の自分の体の状態を知ることができます。
本日のコラムでは、舌で体のサインを見る方法についてお伝えしていきます。
ぜひ鏡を見ながらセルフチェックしてみましょう。
舌診とは?
舌診は、舌の色や形、舌苔(ぜったい)の状態を観察し、体の調子を知る方法です。
舌苔とは?
舌の表面にうっすらと白く見えるものが舌苔です。
皮膚でいう垢のようなものであり、不要なものを排出するだけでなく、舌の粘膜を守る役割も担っています。
セルフチェック前の注意点
正しく舌診をするために、チェック前に気をつけたいポイントを確認しましょう
- 直前に水や熱い飲み物を摂らない
- 辛いものや刺激物は控える
- 歯磨きをしない
- 舌に色がつくものは避ける
- 運動直後、入浴直後は避ける
舌は食事の影響を受けやすいため、チェックする前は30分ほど間隔をあけるのがおすすめです。
舌を出すときは、舌先をやや下に向け、力を入れずに自然に伸ばしましょう。
健康な舌の特徴
- ふっくらと柔らかい
- きれいなピンク色
- うっすら白い舌苔がある
健康な舌は、血色の良いピンク色をしていて、むくみもなく動きもスムーズです。
4つの舌タイプ
- 水分不足タイプ
- 巡り滞りタイプ
- 元気喪失タイプ
- 栄養偏りタイプ
水分不足タイプ
このタイプの人は、体内の水分が不足しがち。喉の渇きや火照りを感じやすいのも特徴です。
(特徴)
- 舌が赤い
- 舌苔が少ない、または黄色い
- 舌の表面に亀裂がある
(対策)
- 水分をこまめに補給し、体を潤す
- 揚げ物や脂っこい食事を控えめに
- 胃腸に優しい食事を心がける
巡り滞りタイプ
このタイプの人は、血の巡りが悪く、冷えやむくみが出やすい傾向があります。
(特徴)
- 舌に紫っぽい斑点がある
- 舌の裏の血管が太く、目立っている
(対策)
- 入浴や半身浴でしっかり温まる
- ウォーキングなど適度な運動をする
- 体を温める食材を取り入れる
元気喪失タイプ
このタイプは、さまざまな不調が重なり、エネルギー不足の状態。
疲れが抜けず、だるさを感じやすくなります。
(特徴)
- 舌が白っぽく、形が変形している(やせている、または腫れぼったい)
- 舌苔が湿っている
(対策)
- 質の良い睡眠をとることが最優先
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、リラックスする
- 芋類やサバなど、エネルギーを補う食材を積極的にとる
栄養偏りタイプ
このタイプは、胃腸が弱って栄養バランスが崩れやすい状態。
食欲が落ち、体力も低下しやすくなります。
(特徴)
- 舌がピンクで腫れぼったい
- 舌苔が白く湿っている
- 舌の縁に歯形がついている
(対策)
- 食べ過ぎ・飲み過ぎに注意
- 冷たいものを控え、温かい食事で胃腸をいたわる
- 適度な運動や入浴で余分な水分を排出する
注意が必要な舌のサイン
舌が黒い
細菌の増殖や、食べ物・タバコの影響で黒くなることがあります。
しかし、胃潰瘍・胃がん・腎障害などの可能性もあるため、気になる場合は口腔外科を受診しましょう。
まっすぐ舌が出せない
舌をまっすぐ出せない場合、舌の筋肉が正常に動いていない可能性があります。
心筋梗塞や構音障害(呂律が回らない)につながることもあるため、循環器内科や脳神経外科を受診しましょう。
舌の裏の血管がボコボコしている
舌の裏の血管が紫色や青黒く見える場合、血流が滞っている可能性があります。
高血糖や脂質異常症のサインかもしれないため、早めに血液検査を受けることをおすすめします。
さいごに
毎日舌をチェックすることで、体調の変化に気づきやすくなります。
習慣にすれば、「なんだか疲れやすいな」「ちょっと不調かも?」といった体のサインをいち早くキャッチできるようになります。
健康管理のひとつとして、ぜひ舌のセルフチェックを取り入れてみてください。
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参考
https://www.yomeishu.co.jp/health/3917/