【前編】はじめての産後ケア 〜施設の種類と選び方ガイド〜

はじめに

出産後の体と心は、とても繊細。
赤ちゃんのお世話に追われながら、疲れや不安を抱えて過ごすことも少なくありません。

そんなとき、心と体をそっと支えてくれるのが「産後ケア」。
休息や育児の相談、母乳ケアなど、さまざまなサポートが受けられます。

産後ケアには、宿泊型・日帰り型・訪問型などいくつかのスタイルがあり、自治体が提供するものや、民間の施設など、選択肢もさまざま。
今回は、施設の特徴や選び方について詳しくご紹介していきます。

産後ケアって何をするの？

産後ケアでは、産後まもないお母さんの心と体を整えるための、さまざまなサポートが用意されています。

産後ケアで受けられるサポート

心のケア

体のケア

育児についての指導・相談

生活面での相談や支援

「これで合ってるのか…」「誰かに相談したい…。」
そんな気持ちに、専門のスタッフが寄り添ってくれる。それが産後ケアです。

施設紹介

日帰り型（デイケア）

施設に通って、その日ごとにケアを受けるスタイル。
個別対応や、他の利用者との交流を通じて、リフレッシュや相談ができます。

【場所】
病院、助産所、保健センターなど

宿泊型（ショートステイ）

施設に宿泊しながらケアを受けるタイプ。
赤ちゃんを預けて休息することもでき、心と体をしっかりと回復させたい方におすすめです。

【場所】
病院、助産所、産後ケアセンター、ホテルなど

訪問型（アウトリーチ）

助産師などの専門職が自宅を訪問してくれるタイプ。
移動の負担がなく、慣れた自宅でゆっくりとケアを受けられるのが特徴です。

【場所】
自宅

産後ケア施設の選び方

産後ケアは、大きく分けて「行政が行うもの」と「民間の施設」があります。
それぞれに特徴があり、サポートの内容や雰囲気、利用にかかる費用もさまざまです。
どこがいいかは、人それぞれ。気になる施設の雰囲気や、利用のしやすさも含めて、自分にとって“無理なく心地よく過ごせる場所”を選ぶことが大切です。

行政のサービスを利用する

自治体によっては、「産後ケア事業」として支援制度が用意されている場合があります。
市区町村のHPや母子手帳と一緒にもらうパンフレットなどに、詳細が記載されていることも。

＜費用の目安＞
日帰り型→1,000円～5,000円
宿泊型→1万～2万円
訪問型→1,000〜2,000円（1回約90分）

行政が行う産後ケアの費用は、自治体やサービスの内容によって大きく異なります。
訪問の回数や利用時間、補助の上限などに制限がある場合もあるため、早めに確認しておくのがおすすめです。
まずは「〇〇区（市・町） 産後ケア」で検索してみましょう。お住まいの地域で受けられるサポート内容や料金の目安が、すぐに確認できます。

民間の施設を利用する

産婦人科や助産院、専用の産後ケアホテルなどが独自にサービスを提供している場合もあります。
施設のHPやSNS、口コミサイトなどを参考にしながら、自分に合いそうな場所を探してみましょう。

＜費用の目安＞
日帰り型→6,000円〜２万円ほど（1回利用）
宿泊型→2〜6万円（1泊）
訪問型→2,000〜4,000円（約90分〜2時間）、2万〜3万円（約6〜8時間）

気になる場所があれば問い合わせ・見学も。
直接問い合わせてみると、対応の雰囲気やスタッフの様子がわかることもあります。
可能であれば見学や事前相談ができるか確認してみるのもおすすめです。

さいごに

産後の心と体を支えてくれる「産後ケア」は、ひとりで頑張りすぎないための、やさしい選択肢のひとつです。

無理のない方法で、自分に合ったケアを選ぶことも、回復の第一歩。
「頼ってもいい」と思えるだけで、気持ちが少し軽くなることもあります。

次回のコラムでは、実際に利用した方の声を通して、産後ケアの“リアル”をお届けします。