はじめに
夏本番を迎え、昼間の猛暑だけでなく、夜も25℃を超える熱帯夜が続く予報です。
熱帯夜が続くと、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりして、翌日に睡眠不足を感じる方が多いでしょう。
夏は体力の消耗が激しく、夏バテを防ぐためにも、体をしっかり休ませる良質な睡眠が欠かせません。さらに、睡眠は成長ホルモンと深い関係があり、健康だけでなく、肌や髪の美しさにも影響を与えます。
そこで、本日のコラムでは、良質な睡眠を取るための「熱帯夜の快眠方法」についてお伝えします。
寝苦しさの原因。深部体温とは?
良質な眠りを得るための鍵は、「体温」にあります。
人の体には、皮膚表面の「体温」と内臓や脳の体温である「深部体温」の2つがあります。
夜になると、手や足から放熱して深部体温が下がり、自然と眠気が高まって眠りへと導かれます。
しかし、寝室の湿度や温度が高いと、深部体温が下がりにくくなり、なかなか寝付けなくなってしまいます。
睡眠のゴールデンタイムは間違いだった?
睡眠のゴールデンタイムと成長ホルモン
よく「22時〜2時の間に成長ホルモン※が分泌されるので、美容と健康のためには22時に眠りにつくのが良い」と言われますが、これは事実ではありません。
成長ホルモンは時間帯で分泌されるのではないのです。
大切なのは、入眠後の3〜4時間です。この間に深い眠り(ノンレム睡眠)に入ることで、成長ホルモンが分泌されます。
つまり、疲れを取るためには「何時に寝るか」ではなく、快適な睡眠環境を整え、「最初に深いノンレム睡眠に入れるようにすること」が重要です。
※成長ホルモンの働き
筋肉の再生、肌細胞の再生、肌のハリを保つ、免疫細胞の再生、内臓細胞の再生、脂肪の分解など
熱帯夜に良質な睡眠を取るための対策
エアコンの使い方
・エアコンは朝までつけっぱなし(28度以下)
・就寝前に部屋を冷やしておく
熱帯夜に眠れない原因は、温度と湿度が高く、深部体温が下がらないことです。
質の良い睡眠を取るためには、寝室の温度を28℃以下、湿度を40〜60%に保つことがベストとされています。
エアコンは朝までつけっぱなし(28度以下)
「切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」を比べると、つけっぱなし運転の方が夜中に目覚めることが少ないことが分かっています。※2
エアコンの風が直接当たらないように風向を調整し、風量は「弱」や「静か運転」に設定しましょう。
温度は28℃以上にならないように、26〜28℃の冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにするのがおすすめです。
就寝前に部屋を冷やしておく
寝室は就寝の30分〜1時間前にエアコンを25℃に設定して冷やしておきましょう。
寝室の日当たりなどにもよりますが、日中に溜め込んだ熱がこもっているため、寝るタイミングでエアコンをつけてもなかなか室温は下がりにくいです。あらかじめこもった熱を冷やしておき、就寝時に温度を調整することで快適な環境が整います。
お風呂のタイミング
・寝る1時間前までにお風呂に入る
・シャワーのみの場合の対応
寝る1時間前までにお風呂に入る
深部体温を効果的に下げるためには、その反動を利用するのが有効です。
夏でも38℃位のお湯に20分程浸かりましょう。入浴することで深部体温が0.5℃ほど上がり、その後、反動で深部体温が下がります。
深部体温が下がるタイミングで眠気が高まり、ベッドに入るとスムーズに入眠しやすくなります。
シャワーのみの場合の対応
夏はシャワーで済ませてしまうことが多いですが、その場合は熱めのお湯を太い血管が通っている首の後ろに5分ほど当てるようにしましょう。
太い血管に熱めのお湯を当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。
寝具やパジャマの選び方
・天然素材を選ぶ
・長袖や長ズボンを着用する
天然素材を選ぶ
寝具やパジャマは通気性の良い天然素材のものを選びましょう。
就寝時にはコップ1杯の汗をかくと言われています。汗をかくと背中とマットレスの間の湿度が上がり、寝苦しさを感じます。
そのため、しっかりと汗を吸ってくれる綿やシルクのパジャマやシーツがおすすめです。
長袖や長ズボンを着用する
夏でも長袖、長ズボンのパジャマを着るようにしましょう。
半袖や半ズボンを着ていると寝具から出た手首や足首に冷気が当たり、体が冷えてしまう原因になります。
就寝前の飲み物
暑いからといって就寝前に冷たいものを摂ると、体が冷えたことに反応して体温が上がり、眠気が覚めてしまいます。
常温のものや白湯など、体に刺激にならない飲み物を選びましょう。
また、夕食以降にカフェインを摂ると睡眠が浅くなってしまいます。コーヒーや緑茶などは日中に留めておくと、睡眠の妨げになりません。
さいごに
昨年の東京の熱帯夜は、57日と過去最多だったそうです。
今年も酷暑が続き、寝苦しい日が増えることが予想されています。
寝苦しい夜には、寝室の環境作りと寝る前の行動が大切なポイントです。
寝室を適温に保ったり、入浴時間も意識して、快適な睡眠を取り、酷暑の疲れを和らげていきましょう。
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参考
https://panasonic.jp/life/sleep/180002.html
https://www.yomeishu.co.jp/health/4188/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000801.000024101.html
※2
2021年8月 和洋女子大学 水野 一枝准教授と弊社との共同研究において実施、対象者:健康な一般男女20名(年代20~50)条件:快眠環境運転/一定温度で連続運転/3時間で切タイマーを設定を実施いただき、それぞれの条件間における生理/心理指標の有意差検定を実施