はじめに
空気が乾燥し、肌寒い日が多くなるこの季節、外出先で咳をしている方をよく見かけるようになりました。
特に今年は、マスク生活が終わったことから、ウイルスに触れる機会が増え風邪を引く方が多いようです。
風邪を引いて免疫力が低下すると、おりものにも変化が起きます。
体調がすぐれない時に、おりものが増えた。と感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
本日のコラムでは、体調不良時に起こる"おりもの変化"についてお伝えしていきます。
おりものとは?
おりものとは、子宮や膣、外陰部から出る分泌物のことで、「古い細胞や老廃物」と「分泌物」が混ざり合ってできています。
おりものの役割は大きく分けて2つあります。
1つ目は、膣内の潤いを保ち粘膜を守りながら、汚れや細菌などが侵入するのを防ぐことで女性の体を守る役割です。
2つ目は、妊娠しやすくするために、受精を手助けする役割です。
月経周期でも変化する
おりものの形状や量は一定ではなく、生理周期によっても変化していきます。
生理が終わったばかりのときは、量は少なくさらっとした状態です。
排卵期に向けて徐々におりものが増え、最も多くなるのは排卵期の2、3日です。
このときは受精の手助けをするため透明な卵白のようなおりものが多く排出されます。
排卵期が過ぎると量は減少し、粘り気のあるおりものに変化していきます。
生理前は再び量が増えて、匂いもキツくなり始め、粘り気のある白濁したおりものの状態になります。
また、女性ホルモンの影響から20〜30代は最もおりものの量が多く、40代以降からは減少していきます。
異変に気付くきっかけにもなりますので、普段のおりものの状態を把握しておくことが大切です。
風邪を引くとおりものが変わる理由
おりものは健康のバロメーターと言われるように、ご自身の体調と密接に関わっています。
なぜ風邪を引くとおりものは増えるのでしょうか?
免疫力が落ちるため
風邪を引いている時は、体の免疫力の低下と同時に、膣内の免疫も低下し細菌が増えやすい環境になります。
そのため、細菌を外に追い出そうという自浄作用が働き、おりものが増えます。
菌と戦い壊れた白血球や死んだ細菌が多く含まれ、黄緑がかった粘り気のあるおりものになります。
薬の影響
風邪の症状を緩和するために処方される抗生物質は細菌を退治するための薬です。
その一方で、もともと体に存在していた良い細菌まで、死滅させてしまうことがあり、膣内の環境の変化が起こります。
その影響からおりものが増えることがあります。
一時的なおりものの増加はそこまで心配する必要はありませんが、おりものが多い状況が長く続いたり、においや痒みなどの異常が見られるときは膣炎などになっていることがありますので注意が必要です。
注意するおりもの
魚のような生臭い匂い
正常なおりものは、無臭ではなく、少し酸味のあるヨーグルトのような匂いがします。
明らかに鼻につくような生臭い匂いがする場合は、細菌性膣炎などの可能性が高いと言われています。
強い痒み
ナプキンや下着のかぶれ以外に、ひどく陰部が痒くなるのは、膣カンジタや膣炎になっていることが疑われます。
熱を持ち、痒みが酷い場合は膣内に異常が起きているサインです。
白いポロポロとした酒粕のようなおりもの
膣カンジタの特徴的なおりものです。
原因となるカンジタは普段から人の皮膚や、膣などにいる菌で、普段は悪さをすることはありません。
しかし、風邪や薬の影響からバランスが乱れ、抵抗力が弱くなるとカンジタ菌が増えることで発症します。
細菌性膣炎や膣カンジタは風邪をきっかけに、発症することの多い婦人科系の病気です。
免疫が落ちることで罹りやすくなりますので、寝不足やストレス、過労が溜まっている時も注意が必要です。
膣の免疫力を高めよう
体調不良の時に膣の不調を引き起こさないためには、普段から膣内の環境を整えておくことが大切です。
清潔に保つ
毎日の入浴で外陰部を清潔に保ち、細菌を増やさないようにしましょう。
また、おりものシートやナプキンの長時間の使用も細菌を増やし、膣内の環境を悪化させることがありますので、こまめに取り替えて清潔に保ちましょう。
洗い過ぎない
膣内には環境を整えてくれる善玉菌が住んでいます。
ソープで膣内まで洗ってしまうと善玉菌が流れ、膣内の環境を乱してしまう原因になりますので、外陰部までにとどめ、洗いすぎに注意しましょう。
腸内環境に良い食事を心がける
食べ物は腸内環境だけでなく、膣内の環境にも影響します。
発酵食品や、食物繊維、乳酸菌など、腸に良い食べ物は膣内の環境も健やかに整えてくれますので積極的に取り入れましょう。
膣内環境についてのコラムも合わせてご覧ください。
【前編】デリケートゾーンの気になる匂いに。膣内環境を整える食事で「膣活」を始めよう!
https://o-a-k.jp/blogs/column/vaginal-odor-control-clean-the-intestines
さいごに
風邪や体調不良で、おりものが増えることは膣の自浄作用が働いている証拠です。
一時的なものであれば心配はいりませんが、おりものの増加が長引いたり、匂いや痒みが気になるときは婦人科で相談しましょう。
また、おりものに異変があった場合、疲労が溜まっていたり、免疫が落ちている時のサインかもしれません。
そんな時は、たっぷり栄養を摂りぐっすり休んで、身体を労ってあげましょう。
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