はじめに
和食に欠かせない「出汁(だし)」は、味噌汁や煮物など、私たちの食卓に欠かせない存在です。
豊かな香りとやさしい味わいが、日々の食事を支えてくれています。
そんな出汁には、料理のおいしさを引き立てるだけでなく、体や心の健康にもうれしい効果が、近年あらためて注目されています。
今回は、出汁の栄養的な魅力や、手軽な出汁のとり方についてご紹介します。
出汁がとれる食材の魅力
出汁は、素材そのものの栄養も一緒に摂れる“おいしい健康習慣”。
毎日のごはんに取り入れながら、体を内側から整えていけるのが魅力です。
- かつお節(かつお出汁)
- 昆布(昆布だし)
- 煮干し(煮干しだし)
- 干し椎茸(椎茸だし)
かつお節(かつお出汁)
良質なたんぱく質と、疲労回復をサポートするアミノ酸(ヒスチジン・アンセリン)を含みます。
忙しい毎日にぴったりのエネルギー源で、香り高さも魅力。
昆布(昆布だし)
うまみ成分・グルタミン酸が豊富。
ミネラルや水溶性食物繊維も含まれ、腸内環境を整える働きが期待されます。
体の巡りを助けたり、肌トラブルの予防にも◎。
煮干し(煮干しだし)
カルシウムや鉄分、DHA・EPAなど、女性にうれしい栄養素がしっかり。
骨の健康やホルモンバランスにもやさしく寄り添います。
干し椎茸(椎茸だし)
うまみ成分・グアニル酸が特徴。
ビタミンD食物繊維も含まれ、免疫サポートや美肌づくりにも◎
植物由来のやさしい出汁は、からだを整えたいときにもおすすめです。
出汁の健康効果
- 満腹感をサポートして、食べ過ぎ防止に
- 体をあたため、疲労回復の味方に
- 脂肪がたまりにくい体づくりへ
- 減塩でも、しっかり味わえる
- 心を落ち着けてくれることも
満腹感をサポートして、食べ過ぎ防止に
昆布や干し椎茸に多く含まれる“グルタミン酸”といううまみ成分には、食後の満足感を持続させてくれる働きがあります。
食べ過ぎがちな日も、出汁を効かせた一品があれば自然と落ち着きます。
体をあたため、疲労回復の味方に
かつお出汁に多く含まれる“ヒスチジン”や“アンセリン”は血行を促進し、疲れを癒してくれるアミノ酸の仲間。
「今日はなんだかだるいな…」というときや、冷えや肩こり、頭の重さを感じるときの小さなサポーターです。
脂肪がたまりにくい体づくりへ
昆布には“水溶性食物繊維”が豊富で、だし汁にもその成分が溶け出しています。
この食物繊維は、血糖値の急な上昇を抑えたり、脂肪の吸収をおだやかにしてくれる働きが期待されていて、日々の食事に上手に取り入れることで、無理なく体を整えるサポートになります。
減塩でも、しっかり味わえる
健康のために塩分を控えたいとき、「味気なくて続かない…」という声もよく聞かれます。
だしのうまみ成分は、塩味を補いながらも満足感を与えてくれる優秀な味方。
だしをしっかり効かせることで、薄味でも「ちゃんとおいしい」が叶います。
心を落ち着けてくれることも
かつお出汁に含まれるうまみ成分には、精神的な安定を促す作用があることがわかってきました。
ある研究では、かつお出汁を摂取することで、緊張感や不安感といった感情がやわらいだという報告もあります。
また、昆布だしに多く含まれる“グルタミン酸”には、胃の運動を活発にし、食欲を安定させる働きがあるとされます。
これが自律神経のバランスに良い影響を与え、日々のメンタルケアとしても、出汁は頼もしい存在です。
かんたんな出汁のとり方
かつおだし
水1Lを沸騰させ、かつお節20〜30gを加えて火を止める。1〜2分置いてから、こして完成。
昆布だし
水1Lに対して昆布10gを入れ、30分以上おいてから火にかける。沸騰直前で昆布を取り出す。
(時間に余裕があれば冷蔵庫で一晩おくとさらに、うま味が濃厚に。)
煮干しだし(いりこだし)
煮干し10〜15gの頭と腹わたを取って水500〜700mLに一晩浸ける。
翌朝そのまま弱火で煮出す。
沸騰直前(80〜85℃)で10〜15分。アクを取りながら加熱することでよりすっきりした味わいに。
干し椎茸だし
干し椎茸2〜3枚を水500〜700mLに入れ、一晩冷蔵庫でじっくり戻す。
香り豊かで、和風・中華どちらにも◎
合わせ出汁
昆布だしをとった後、火を止めてかつお節を加えると、うまみのバランスが良い「黄金だし」に。
干し椎茸+煮干しの組み合わせも、コクのある和風料理におすすめ。
合わせ出汁のおすすめ
昆布×かつお節、干し椎茸×煮干しなど、2種類以上を組み合わせる「合わせ出汁」は、うまみの相乗効果によってより豊かな味わいになります。
うまみ成分を組み合わせると、単体の7〜8倍もの強さに感じられるとも言われています。
味に奥行きが出ることで、いつものお味噌汁や煮物がぐっと引き立ちます。
出汁パックも手軽でおすすめ
毎回いちから出汁をとるのは少し大変…という方には、出汁パックも便利なアイテム。
お湯や水にさっと入れるだけで、しっかりとうま味を感じられます。
最近では、素材の風味を大切にした商品も増えており、原材料がシンプルなものを選ぶと、自然な味わいを楽しめます。
さいごに
日本の食文化として親しまれてきた出汁は、いまや海外からも、“うまみ”や健康効果に注目が集まっています。
「出汁をとる」と聞くと、少しハードルが高く感じるかもしれませんが、素材と水さえあれば、意外と手軽に始められます。
香り豊かな出汁とともに、“おいしい”と“からだにやさしい”を、日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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