はじめに
乳がんの発症は年々増加しており、女性の9人に1人が生涯のうちに乳がんになると言われています。
乳がんは早期に発見すれば完治する可能性が高いがんです。
そのため、定期的な検診やセルフチェックで異変がないか確認することが非常に重要です。
本日のコラムでは、「どんな人が乳がんにかかりやすいか」「乳がんのセルフチェックの方法」について解説し、乳がんから身を守る方法をご紹介します。
乳がんとは?
乳がんは、乳房の乳腺(母乳をつくる器官)にできる悪性の腫瘍のことを指します。患者数は30代後半から増え始め、40代から50代でピークに達します。
主な症状としては、以下のようなものがあります
- 乳房のしこり
- 乳頭や乳輪のただれ
- 乳頭から血が混ざったような分泌物
これらの症状に気づいたら、早めに医師の診察を受けることが大切です。
乳がんにかかりやすい人とは?
乳がんにかかりやすい人にはいくつかの共通する特徴があります。
これらの特徴に自分が当てはまるかどうかを確認することは、病気への備えにとても重要です。
- エストロゲンの分泌量が多い人
- 血縁者に乳がんにかかった人がいる
- 生活習慣が乱れている
①エストロゲンの分泌量が多い人
乳がんの発生には、女性ホルモンであるエストロゲンが関係しています。エストロゲンの分泌期間が長いほど、乳がんのリスクは高くなります。
以下の特徴がある人は特に注意が必要です。
- 出産や授乳の経験がない人
- 初産が30歳以上の人
- 初潮が早かった、または閉経が遅かった人
②血縁者に乳がんにかかった人がいる
乳がんの5〜10%は遺伝が関係していると言われています。家系内に乳がん患者がいる場合、その人との血縁関係が近いほど、乳がんのリスクが高くなります。
多くの研究によると、親、子、姉妹に乳がん患者がいる女性は、そうでない女性に比べて2倍乳がんになりやすいことがわかっています。また、祖母、叔母、めい、孫に乳がん患者がいる女性は、1.5倍乳がんになるリスクがあることもわかっています。
必ずしも乳がんになるわけではありませんが、血縁者に乳がん患者がいる場合は特に注意が必要です。
③生活習慣が乱れている
生活習慣が乱れている人も、乳がんのリスクが高まります。以下の特徴がある人は特に注意が必要です。
- 閉経後に肥満傾向にある人
- 飲酒や喫煙をしている人
- 運動不足の人
これらの特徴に当てはまる人が必ず乳がんになるわけではありませんが、注意が必要です。また、全く当てはまらない人でも、乳がんになる可能性はあります。命を守るために、定期的な検診やセルフチェックで早期発見を心がけましょう。
検診のタイミング
乳がん検診は40代から2年に1度の定期検診が推奨されています。しかし、30代までの女性は乳腺が発達しているため、マンモグラフィでは見えにくいことが多いです。このため、30代以下の女性にはエコー検診が勧められます。
20代や30代でも、乳がんになりやすい特徴がある場合は、1年に1度の検診を受けることが望ましいでしょう。
最近では、着衣のまま乳がん検診ができる無痛のMRI検診を受けられる病院も増えてきています。
セルフチェックの方法
乳がんは身体の表面近くに発生するため、自分で発見できる可能性があります。以下のチェックポイントに注意してセルフチェックを行いましょう。
【チェックポイント】
- 乳房の変形や左右差がないか
- しこりがないか
- ひきつれがないか
- えくぼのような凹みがないか
- ただれがないか
- 出血や異常な分泌物がないか
入浴の際に鏡の前で
- 両手を上げた姿勢で、乳房や乳頭を観察します。
- 両手を高く上げた姿勢で、正面・側面・斜めから乳房を観察します。
- 乳頭を軽くつまみ、分泌物がないか調べます。
入浴中バスルームで
皮膚の凹凸がわかるよう、手に石鹸をつけて滑りやすくしておきます。
- 腕を上げ、乳房の表面に渦巻きを描くようにして、しこりやこぶがないか調べます。
- 指先を揃えて脇の下に差し入れ、リンパ節が腫れていないか確認します。
おやすみ前ベッドの上で
仰向けに横たわります。
- 腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べます。
- 腕を下げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べます。
- 脇の下に手を入れ、しこりがないか指の腹で調べます。
セルフチェックのポイント
セルフチェックのタイミングと対処法
- 月に1回、生理が終わった後のタイミングでセルフチェックを行うのが理想的です。この時期は乳房が張っていないため、痛みが少なく異常が発見しやすいです。
- 最初は2〜3日おきに乳房を触って、生理周期による変化を確認しておくと、異常を見つけやすくなります。
もしセルフチェックでしこりや異常を見つけた場合は、乳腺外科を受診しましょう。乳房にしこりがあっても必ずしも乳がんとは限りません。
乳房にできるしこりの8〜9割は良性の腫瘍と言われています。しかし、たとえ乳がんであっても、早期に適切な治療を受ければ生存率は95%に達し、乳房切除の可能性も低くなります。
さいごに
年々患者数が増えている乳がんは、女性が特に気をつけたい病気のひとつです。
日々を忙しく過ごしていると、つい自分のことは後回しに、、、。という方も多いかもしれませんが、発見の遅れは、自分や家族の将来を大きく変えることになるかもしれません。
普段からセルフチェックや定期的な健診を受けるようにして、健康を守っていきましょう。
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参考
https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/
https://www.ganclass.jp/kind/breast/selfcheck